「私がスライムだったらよかったのに、ですよねぇ」
「なにをいきなり」
「もし私がスライムだったら、ユメさんをすっぽり包み込んであんなことやこんなことができるのに」
「スィンドル……また私のパソコンを覗いたね」
「恋人の好みを知りたいと思うのは当然のことですよねぇ」
「閲覧履歴消しといたのに!」
「このスィンドルにかかれば、データの解析など朝飯前! ですよねぇ」
「君を弾けるセキュリティソフトが欲しい」
「そんなものが私に敵うとお思いですかぁ?」
「そうだ、業者に頼んでこの鉄屑を回収してもらおう」
「心にもないことをおっしゃる」
《こちらは不用品回収車です。ご不要になりましたテレビ、バイク、冷蔵庫、洗濯機……なんでも回収いたします》
「ほら、噂をすれば!」
「まさかユメさん、本気で私を追い出すつもりじゃありませんよねぇ……?」
「そのまさかだよ」
「待って! 話し合いましょう。……やめて靴を履かないで!」
「車に声かけてくる」
「実は先日、とってもスッキリくんを改良したんですよ! 新機能を搭載しました! これまでとは比べ物にならない未知の体験をお約束すると言ったら……試してみたいですよねぇ?」
「とりあえずその玩具をしまおうね。なんでそっち系の発明ばかりするかな? 君は」
「ユメさんに喜んでいただくにはこれが一番! でしょう?」
「あ、すみませーん! 止まってくださーい!」
「やーめーろー!」
「あはは、うそうそ! 物置のビデオデッキを持ってこうとしただけだよーだ! 焦ったスィンドル初めて見た。あーおかしい」
「……私を怒らせるなんていい度胸ですよねぇ」
「や、やめ…………ぎゃああ!」
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