「ラチェット! おいら、おいらどうしていいかわからなくて……、早くユメの喉を治してあげて!」
「げほ、ごほっ」
「何があったんだ!? ユメ、ここに来て横になりなさい」
「おいらがユメを甘味屋に誘って、そこで――」
「そこでディセプティコンの連中に襲われたのか! 奴らも随分、場所を選ばなくなったものだな……」
「ラチェット、」
「無理をするな、喉をやられたんだろう」
「うん、その……あんみつのつぶあんが喉に引っ掛かってね? いくら水を飲んでも取れないの」
「あの時アイス盛り合わせか杏仁豆腐にしておけば、こんなことには……!」
「…………」
「あの、先生?」
「君はわたしにどうしてほしいんだね?」
「この忌々しいつぶあんを取り除いてほしいんです、今すぐに!
喉の奥にメガトロンがへばりついてるような違和感耐えられない!」
「ユメ、ラチェットの手術の腕は一流だから心配ないよ」
「いや、そこまでする必要はないね。おそらくこれで十分だろう」
「このとろみ……葛湯?」
「そうだ」
「じゃあ、いただきまーす」
「おいらも飲みたい!」
「ほら。どんな具合だい、ユメ」
「うん? ……うん。取れたみたい! ありがとうラチェット、だいすき!」
「……」
「さあ、ビー、飲み直しに行こうか!」
「うん! 今度は何にする~?」
「求肥のパフェにしようかなぁ」
「じゃあ、おいらもそれ!」
かくもあまいひとこと