「ビーコンちゃん、ちょっとついてきて」
「どうしました? そちらは鉱山の出入口ですが」
「見て見て! メガトロン様のお顔を彫ったの。ラシュモア山の彫刻ってあるでしょ。あれを見てピンときたの」
「これはひどい」
「君ってときどき辛辣だよね……そんなに似てない?」
「いえ、お上手です。マル様に彫刻の才能があるとは驚きました」
「でしょ?」
「ですが、これではオートボットに我々の鉱山だと知らせているようなものです」
「そうか! それは考えてなかった。どうしよう」
「表面を削るしかありませんね。それもただ平らにしては不自然ですから、うまく凹凸を入れて……」
「でもせっかく彫ったし残しておきたいなあ。こんな辺鄙なところ、オートボットは来ないよ」
「万が一ということもあります。マル様、残念ですがこれは……」
「スタースクリーム、トランスフォォム!」
「わっスタスク! どうしたの、なにか用?」
「お前に会いに……アーもう、理由なんてどうだっていいだろ?」
「? まあいいや、これを見てよ」
「メガトロンの顔じゃねーか。器用だな」
「ふふん(どやっ)」
「で? 俺様の完成予定はいつなんだ?」
「これで完成。あなたを彫る予定はない」
「なっ! メガトロンの顔は彫れて、スタースクリーム様の顔は彫れないっていうのかよ!」
「これ結構大変なんだよ。丸二日かかった」
「恐れながらマル様、仕事をしてください」
「うん、そうだね。じゃあわたしは採掘の指揮に戻るから」
「お、おいマル! もういい、お前がやらないってんなら自分でやってやる!」
「こらスタスク、使ったのはもっと小さな掘削機……!」
スタースクリームのドリルライナー!
いりぐちは ほうかいした!
やらかした