「あーもークリアできない! なにこの鬼畜ステージ!」
「どれ、貸してみ」
「はい。言っとくけど相当難しいよ。サイタマさんでも苦戦すると思う」
「望むところだ」
「言うほどきついか? これ」
「違うよ、その段差の先だよ」
「うわッ、なんだ今の!」
「ね? あっさりやられちゃうでしょ」
「もう一回やらせてくれ」
「がんばれサイタマさーん」
「おう」
「あっ」
「ありゃ」
「くっクソゲーだね!」
「どんまい」
「次、俺がやっていい?」
「ああキング、どきシスは終わったの?」
「うん。全ルート攻略した」
「速いねー! 後で貸してね」
「ほれ。やれるもんならやってみろよ」
「なんで喧嘩腰なの」
「この前ストツーで七連敗したから」
「oh……」
「すげー……軽々進んでくな」
「数多のトラップを一ミリの誤差もなく掻い潜っていく……ッ! さすがキング! 私たちにできないことを平然とやってのけるッ! そこにシビれる! あこがれるゥ!」
「ユメちょっとうるさい」
「はい……」
「よし、ステージクリア」
「なんだこのハイスコア……ほぼカンストじゃねーか」
「桁違いだね。なんかキングがプレイするとすごく簡単そうに見えるから不思議」
「まあこれは何度もやったから……」
「ようし私もやるよ! クリアまでは眠らない!」
「無理すんなよ」
「しゃあああッ!! クリアしたー!!」
「やったなユメ!」
「うん! ……圧倒的得点差で二位ですけどね」
「なんかごめん」
「データ消そうかな……キングのスコアを超えられる気がしない」
「ごめんって!」
超えられない