ある星にブラックホールが接近していた。
消滅の危機に瀕したその星は、有力な戦士たちをブラックホールサーバーに送り込んだ。
そして、戦士のひとりであるユメは漆黒の最奥を駆けていた。
無限に湧き出てくる敵に手間取ったが、仲間がその場を引き受け、先に行かせてくれたのだった。
ユメは足を止め、目の前にいる存在を見据えた。
まず目を引くのは、まばゆいばかりの金色に輝く翼だ。白い服に身を包み、青い顔には目を細めた笑顔が貼りついている。
「ようこそ、ユメ。見ていましたよ……あなたの戦いぶりを」
「おまえがブラックホールの元凶……シリウスだな!」
ユメは返事も待たずに斬りかかった。
しかし、刃はいとも容易く灰色の手に掴まれ、びくともしない。動揺する間に、翼から放たれる光線がユメの体を貫いた。
「……ッ!」
後方に弾かれ、体中に強い痛みが走る。思わず片膝をついたが、荒い息をついて立ち上がった。
「諦めるわけには、いかない!」
「見事ですね。その不屈の闘志」
軽やかな拍手がこだまする。
「ですが、もう終わりです」
シリウスは一気に距離を詰めたかと思うと、ユメの首元を掴み上げた。
「今からあなたの心を抜き取らせてもらいますよ。そして、その手であなたが守ろうとした星を襲ってもらいましょうかね」
「やめ……! そんな……と、させな……で」
「そのあとも、あなたには末永く戦ってもらいますよ。ワタシのコレクションするさまざまな電波体と……ね!」
楽しげな元凶に手も足も出ない。ユメは苦しさと悔しさで涙が頬を伝うのがわかった。
シリウスはもう一方の手でそれを拭った。
「フフフ……美しさにかけても一級品……ですね」
満足そうな笑みに背筋が寒くなる。
「さあ、喜んでください。ユメ、あなたはワタシに取り込まれて永遠の存在となるのです」
ひときわ高く持ち上げられ、ユメの意識はそこで黒く塗り潰された。
Jet Black