「ガルデンさん」
「ん」
「抱きしめてもいいですか」
「どうした」
「んー……なんだか、あなたの毛を堪能したくなったんです」
「私の部屋へ行くか?」
「いいんですか?」
「先に寝てくれ」

「ふたりで寝るには狭いな」
「大丈夫ですよ」

「あの、服を脱いでくれませんか」
「全部か?」
「できれば」
「君は脱がないのか」
「……脱ぎましょうか?」
「私だけ、裸というのもな」
「ふふ、それもそうですね」

(とく、とく)
「幸せです」
「そうか。それはよかった」
「地球で聞いた話なんですけど、毛の生えた生き物と暮らすと、ストレスが減るそうですよ。だから人間はみんな……いや、大抵の人がもふもふを好きなんです。ヒューガルデンさんのようなもふもふは宝です」
「…………」
「どうしたんですか?」
「いや、毛をそこまで誉められたのは初めてでな」
「え、嘘!」
「嘘ではない」
「あ、わかった。ヒューガルデンさんってなかなか人を寄せ付けないから、みんな思ってても言えないんですよ。きっとそう」
「毛が抜けてもか?」
「え?」
「毛が抜けてもなお、私の体質は良いものだろうか」
「毛が抜けても、良いものです。私は大好きですよ」
「そうか」

もふる