婚礼の儀を終え、入浴を済ませたシェリーは恐る恐る竜王の寝室をノックした。
 ドアが開き、待ちかねていた様子の竜王が部屋に招き入れる。
 ふたりはベッドの縁に腰を下ろした。
「あの……私、こういうのは初めてで……」
「うむ、問題ないぞ」
 優しくするからな、と竜王は微笑んだ。
「よろしくお願いします」
 ぎこちなく頭を下げるシェリーを見て、竜王が楽しそうに笑う。
「緊張しておるな?」
 そっと抱きしめられ、あやすように背中を撫でられる。優しげな手つきにシェリーは気持ちが落ち着いていくのを感じた。
「そなたはただ身を委ねればよい」
「はい……」
「そなたが城に来たのが昨日のことのようじゃな。こうして抱く日が来ようとは、思ってもみなかったぞ」
 抱擁を解いた竜王が、「わしは嬉しい」と目を合わせる。その穏やかな表情をシェリーは愛しく思った。
 ふたりは唇を重ねた。ついばむような動きから舌を絡めるキスに変化していく。このあとに続く行為を予期して、体が熱くなるような錯覚を起こした。
 互いに服を脱いでベッドに倒れ込んだ。一糸まとわぬ姿を竜王が見下ろす。薄暗いとはいえ、
「恥ずかしいです……」
 シェリーは頬を染めた。
「愛いのう」
 しみじみと言った竜王はシェリーの腰に手を置き、首筋に口づけた。軽やかな音をたてたあと、甘噛みする。同時に乳房をやんわりともみ始めた。
 竜王が胸の頂を口に含むとき、シェリーはドキドキが伝わりはしないかと心配になった。
 そうして上半身を愛でると、竜王の指はみぞおちからへそ、下腹部へと下っていき、ふっくらとした女陰の中の花芯を捉えた。ゾクッとした快感が下腹部から頭へと駆け上がり、そのあまりの刺激にシェリーは腰を横へとずらしてしまった。
「これこれ、逃げるでない」
 声に愉悦をにじませた竜王が腰を捕まえて動けなくする。片手は再び花芯をもてあそび始めた。
「ん……ふ……」
 思わず声が漏れる。口元に手をやってこらえようとするのだが、どうしても声をあげてしまう。
「そう我慢せずともよいのだぞ」
 あふれてきた愛液を指にまとわせては刺激を続ける。ずっといじられていると、熱っぽいような渇望するような変な気持ちになってくる。
 竜王は一本、二本と指を挿れた。新たな感覚が快楽の波を大きくしていった。
「だめ……りゅ、お……さま……ああっ!」
 シェリーは体を強張らせたのち、ぐったりと弛緩した。荒い息をついたまま、視線を絡み合わせる。
「気持ちがよかった……です」
「それは何よりじゃ」
 宣言通りに優しくほどいてくれた竜王に気持ちが温かくなる。
「そろそろ竜王様のを入れてみますか?」
「そうしよう」
 竜王は入口に肉棒をあてがい、体重をかけてゆっくりと分け入ってきた。
「痛くはないか?」
 どこか余裕のない声音で尋ねる。
「はい。大丈夫です」
 そうか、と言った竜王がおもむろに動き出して、シェリーは息を飲んだ。律動と共に、中にしびれるような甘い感覚が生まれてくる。さらに、竜王のものが膣の最奥を叩く感覚が心地よかった。
「あ……竜王様の、奥に当たって……」
 気持ちいい、というシェリーの呟きは小さかったが、竜王の耳にはしっかりと届いていたようで、「うむ……わしもじゃ」と返ってきた。
 いつしかシェリーは声を我慢するのをやめていた。嬌声とお互いの息遣いが空間を占める。竜王の動きが速くなり、シェリーは投げ出した手をぎゅっと握った。
 やがて竜王が苦しそうな声をあげ、ゆるゆると動きを止めた。シェリーは竜王に口付けると幸福感に浸った。
「大好きです。竜王様」
「わしもじゃ。シェリー」
「すごく……お優しいのですね」
「そう感じたのなら何よりじゃ」
「私も色々覚えていきますね」
 くすくす笑うシェリーを抱きしめて、竜王も笑った。
「それは楽しみじゃな」